クレイジー・リッチ
10.3
突き抜けた金持ちたちの描写がすんっごい楽しかった!
一瞬付き合ってた中国人を思い出した。アメリカ生まれの中国人はABCっていうんだよって教えてもらったなぁ。American Born Chineseの略らしい。
私から見るとハイスペ寄りだろって彼氏だったけど、まじで周りが富裕層のABCたちで俺は全然底辺だよ…とか言ってて、なんで彼らは上を見過ぎるんだろうか。つらいだけじゃんね。富裕層は富裕層に囲まれている。
そんな思い出はさておき、ワイシャツぱつぱつな筋肉痛良すぎた。いいなー筋肉。私は特に肩甲骨あたりがもりっとしてるのが好きです。欧米顔の筋肉はフィクション感あるんだけど、アジア顔の筋肉だとなんとなくリアリティあってめちゃくちゃいいね…
あと飛行機がベッドで寝れるやつで富裕層~!となったし、このシーンのキスからのノールックで電気消すタイミングばっちりなの、こいつ相当遊んでたなって感じた。
それにしてもニックの顔面力と筋肉のすごさでアラを飛ばしまくってたけど、冷静に考えるとちょっとひどすぎない?
自分の家の事を行きの飛行機の時まで隠してるし、世界が違うっての分かってるのにレイチェルのフォローしないし、元カノがいたこと言ってないし…
まぁそれでも彼はそんな些細なことを気にする必要のないくらいモテてたんだろうねぇ…
レイチェルはいろいろ悩んだり勇気を出して頑張ったり、時には自分を犠牲にしたりしてたのに対して、ニック、君なんか頑張ったか?って終わり方だったからモヤってしまった。その指輪お前の手柄じゃないじゃん?!なんでドヤ~なの!??
私はなによりアストリッドがつらかったわ…強く生きような…
こんないろいろ言ってるけど、おおむね満面の笑みで見てました。画面が派手で楽しい映画だったわ。各所見たことある~!ってなりましたね。シンガポールの有名どころばっかり出てて、旅行したことある人は余計楽しかったはず。
私は年始にシンガポールでインフィニティプール入ってるはずが、日本で吐き散らかしてましたからガイドブックで見たことありましてね…アスリッドみたいに強く生きるわ
バッド・ジーニアス
10.3
バッドジーニアス!バッド!バッドだ!!
すっっごい面白かった。これ予告見ないで行けば良かったって後悔した~!前日に見ちゃったんだよね。
リンちゃん超ジーニアス。最初はお父さんが楽になるようにってそういう思いやりと、世の中不正が渦巻いてるって失望からカンニングに手を染めた感あった。まだピュアっ子だったのよ。
最初にカンニングバレた時も、だって私悪くないし!学校だって悪いことしてるのに!なんでよ!??って言ってて、若さ~~。お父さんがリンちゃん叱るんだけど、それでも分かってくれない態度にお父さんが「俺が全部悪いから…」って言ってて、お父さーーん!って泣きそうになったわ。
それでも友達のためにまたドでかいカンニングをやろうとしちゃうリンちゃん…
こういう悪巧みの計画練ってるところ好きすぎる。だけど、やっぱり子供が考えることだから完璧とまでいかなくてちょっと抜けがあったりして、それがまたドキドキ加速させた。
えっ何それ何それどうするの?ダメじゃない?バレるでしょそれ?やばいやばい!!って焦りと鉛筆とピアノの音。息をのんでしまったわ。
んで、またカンニングがバレて逃げるシーンあったんだけど、あれまじで緊張感ハンパなくて私も吐きそうになった。
カンニングシーン終始すごかったんだけど、私はバンクに呼ばれてクリーニング店に行ってからがヤバかった。
バンクのカンニングがバレて、リンは何が大切かやっと分かったのに。バンクは全然分かってなかった。次はうまくやる。大金がかかってるんだって。
あぁ、この人は…っていう絶望
リンは心を入れ替えてカンニングから手を引いたんだけど、逆にバンクが染まっちゃってて、あれは悲しかった。
お金で人は変わるんだよねぇ。私も実際そんな事例見たからよりつらかったわ。好きな人がお金で変わるなんて夢にも思わないよね。
私はあの時のお金いらないから。足りないならあげるからって手を取っても拒絶するバンク。目を覚まして欲しかったよね…つらい。つらすぎる。
最後にはバンクがリンちゃんを脅し始めて、あーもう完全にダメだ…リンが好きだったバンクはもういない…
貧乏故に起こるさまざまな理不尽を考えると、お金はそれだけ魅力的なものだったんだろう。人は変わるものだから仕方ないんだけどね、それでも、それでも変わって欲しくなかった。昔の彼に戻って欲しかったよね。
バンクは懲りずにお金のためにまた悪いことしてそうだけど、いつか気づく日は来る。だけどそれは多分取り返しのつかない状況になってからだろうなぁ。
カンニングやるぅ!ヒュー!!ってところから最後の落差がすごかったです。
500ページの夢の束
ブリグズビーベアが好きって言ったらオススメされた映画、ざっとあらすじ聞いただけで見に行ったけどよかった!!
スコッティが施設に入るところからクスッときた。本当にね、ああいう子たち好きなことずーーっと続けるんですよね。アメリカ国歌好きな子が永遠に歌っていて笑っちゃった。
みんな挨拶の仕方が違うんだよね。ハグする子、痛いほどのハイタッチする子、そしてウェンディ。
スコッティとウェンディが笛をプペーって鳴らして輪っかを作るシーン、ウェンディは触られるのを極端に嫌がるの分かっててお互いハグの真似するシーンだなってすぐわかったし、スコッティはちゃんとウェンディのこと考えてくれてるんだなぁって嬉しくなっちゃった。やさしい。
日本と違ってパーソナルスペース狭そうだし、気軽にハグとか出来ないって思うとウェンディにはアメリカ住みづらそうな感じがする。
お姉ちゃんはもうちょっと頑張ってくれ…一緒に暮らしてただろって思ってしまったわ。妹だったらまだしも、お姉ちゃんじゃん!!ってなった。これは人によるのかな。
ウェンディは行く先々でこの子なんか違うってピンときた人達に助けられて旅をしてたよなぁ。
身近にあなたみたいな子がいるのよって言ってたおばあちゃんいたけど、ウェンディが自閉症だってすぐわかったの、やっぱ長年見てるとピンとくるのかと。
これめっちゃあるあるなんだけど、私も電車の中とか遠目でもあ、この子アレだわとすぐ分かる。みんな気づくもんかと思ってたんだけど、一緒にいた人に聞いたら気づかないって言われて…これスキルじゃない?
ところであのおばあちゃん無事だったのかな…
あとポリスがクリンゴン語使うところ!あのおばあちゃんの孫かと思ったわ。あのポリスもピンときてウェンディに合わせて対応してくれて本当に嬉しい。あのポリスも分かってる側だわ。
でも普通の人たちにとってはウェンディはただの変な人に映ったのかなってシーンがちらほら。ウェンディくらい軽度だとこういう子たちが身近にいなかった人たちはパッと見やっぱり分からないんだろうなぁ。そしたらあの対応になるのはしょうがないのかな。
最後におねぇちゃんと話してたシーン。お母さんは何を望んでいるのかって問いにウェンディは「お母さんは死んじゃったから今は何も望んでない」って。
これねーーーー!!本当にねーーー!!!!このセリフ聞いて解放された感があるよね。少なくともお母さんは心配してないよって。ウェンディはそういう意図があって言ったんじゃないとしても、おねぇちゃん的にはそこの悩みがなくなったかと思うと本当に良かった。
私も似たような弟いるんだけど、これ思うところありましたね。
親は先に死ぬし、私が一生面倒見なきゃならないけど、まーー手に負えないんですよね。笑
うちの子はもっと重いから喋らないし何を考えて何を感じているのか察してあげないといけない。見てるとなんとなく分かるんだけど、全部は分からないんよね。年々こだわりが強くなってきたし。
私もやっぱり親のようにはうまく面倒みれないから、もし親が死んじゃったら天国で心配してるだろうな…って考えちゃうと思うんだよね。そこが無くなるだけであのお姉ちゃんがどれだけ救われたかって思うと、ウェンディの言葉よかった。
話変わるけど、私は言わなくても察してよタイプってのが嫌いなんですが、その理由がてめーは喋れるだろ!!?ってところ。弟は喋れないから察するけど、自分の気持ちを伝えることができる人はちゃんと自分で伝えてよって感じですね。みんな考え方違うし言わなきゃ分かんないんだからねぇ。
自分の気持ちを自分で伝えられるだけ幸せなんだよ、ほんと。
あと、ウェンディがめちゃめちゃ成長した点があるんだけど、悪知恵が働くようになったところ!!
病院から逃げるのにトイレの物入れに隠れたり、最後のバス乗れなくなって荷物入れに入ったり、受け付けないって言われた脚本をポストに入れたり。
うちの子も一生知能3歳児かと思ったら、大人になってぐんと悪知恵働くようになったので、そんな所も描かれててすごいなってニヤニヤしちゃった。お主分かるな…!みたいな。
子供のころは弟と一緒にいるの嫌だったんよね。映画の中で昔のビデオ見返してたシーンあったけど、あんな風にほんっと些細なことですーぐ機嫌悪くなるし一緒にいて恥ずかしかったから。
でも今の方が目立つし声大きいから注目されるんだけど、私の羞恥心が年々なくなってきたので、見たけりゃ見れば?的な心持ちになってる。これもまた成長ってことで…
それにしてもなぁ、最近子持ちの友達増えてきたし自分の親のことを考えちゃう。
普通に産んだ子が障害児だったってどんだけ悩んだろうなって。
私は小さい頃から一緒に育ったからまだいいけど、大人になって考えが固まってきてから接するとまた違うんだろうかとか…
こうやって自分の身の回りも思いつつ見たからめちゃめちゃ考えたし、この映画見れてよかった。これ私にオススメした人すごいわ。エスパー?
カメラを止めるな!(ネタバレなし)
6.27
自分でもよく見に行ったなと思う。今までシネコンしか行ったことがないのに、小さな映画館に一人で見に行った。
きっかけはツイッターの映画好きな人が「東京住んでるなら見に行け!(この時上映館都内2箇所)行かないのはもったいない!ネタバレ見ないで行け!!」と言ってたから。しかも、この映画が今年一番の映画だという記事を読んで、まさかそんなはずない!と否定的に見に行ってたんだよこの人。けども見終わったら絶賛していたという。
私は素直なのでトレーラーもあらすじも見ずに、映画館と時間だけ調べて行きました。先述のネット記事を開いたんだけど、でも読まずに行った。
もう、自分を褒めたい。調べなかったのえらいえらすぎる!みんなも何も知らない状態で見て欲しい。もし記憶消せるなら消してもう一回見たいレベルだもん。
開始数秒、あー好きなやつ!!!
このチープさ、わざとらしい感じ、なんか初期のドラマTrickみたい。大好き!
他の感想読むと初見で前半部分を否定的に見てる人が多くて驚いたんだよね。私好きすぎて顔にっこにこしながら見てたよ。
ところどころ、アレ…??ってあったんだけど、後々の伏線だろうとそのまま見続ける37分ワンカット。超集中でカメラの揺れも気にならなかった。けど、あれ?終わり…?謎残りまくりなんだけど…うーん
と考えてたら数ヶ月前に時間が戻る。あ、こういう感じ?いやーちょっと私は苦手かも…なんて思っていたら、
そこからの流れが!もう!!
のめり込んでしまった。のめり込みすぎて、最後曲が流れてるの気づかなかったよ。エンドロールは分かってたんだけど、スクリーンに映ってる全員を見るのに必死で歌に気づかなかった。
あとでパンフを買ったら歌詞が載ってて、それで曲流れてたのかとびっくりしたんだよね。
パンフレットを上映前に買うか、いやハズレたら後悔するしな…と思ったの杞憂だった。その後の予定を遅刻してまで並んでパンフレット買って、出演者の方々にサインもらって楽しかったですって伝えた。面白いんだけど、感想としては「面白かった」じゃなくて「楽しかった」なんだよね。
何より良かったのが、上映開始してから数日後にK's cinemaで見れたこと。みんな無名映画を見に来た映画好き。客席80席くらいの館内で、みんな声に出して笑った一体感。終わったら自然とみんなで拍手。
あー楽しかった!!!映画見てこんなに楽しいの初めてだった!
見る前にかなり期待してしまっていたので、期待するほど拍子抜けするんだよな~と心配してたのがバカみたい。なんの心配もいらないし、なんの知識もいらない。構えず見に行けば笑える映画。
今まで映画といえば、話題の派手なやつを映画館に見に行く。なんかまったりしたやつは家で見てもよくない?って言われてまぁそうかもって思ってたけど、これだけは映画館で見てほしい。絶対映画館で見た方が楽しい。
私はこれで映画楽しい!!ってなってその後映画漬けの日々になった。あらすじ調べずにラフに見に行くようになったり、小さい映画館が好きになったり、いろいろきっかけになった映画。
君が君で君だ
7.27
もうあらすじだけで意味わからなさすぎて見るのが怖かった映画。
「好きになった子を10年集団ストーカーをしている」って字面だけでやばい。怖すぎる。
でも映画の冒頭、男の子がわちゃわちゃしててすごい楽しそうで、こういう微笑ましいの好きーー!
好きな人の行動にいちいち感情が揺れてしまったり、きゃっきゃするやつ。遠い昔の「好き」を見ているようだった。あったなぁ、あんな時代。好きな人の何気ないことも嬉しいってやつ。無邪気な「好き」が見えた。
でもやってることはストーカーなんですけどね…
この映画見る2日前にファントムスレッドを見ていて、余計好きってなんだろうってなってしまった。
借金取りのボスのこんなに愛された事ある?ってセリフ、
愛情表現、みんなそれぞれ違うよね。なんかカップルでお互いが同意してる愛情表現ならいいんだけど、ずっと一方的な愛の押し付けだったので苦しくなった。つらい。
最初は3人が同じような愛情を持っているのかと思ったけど、どんどん方向性が違うって分かっていく。
坂本龍馬は以前付き合っていた時からそうなんだけど、どうしても彼女の気持ちより自分の思いをぶつけたい、自分の好きを優先したいっていう重くなってしまう自分本意な愛。
ブラピは一目惚れから始まったので一番一般的な好きだったのかも。だけど、みんなでワイワイするからこその愛で、あの場所を守っているファンみたいな立ち位置に見えた。
尾崎は…尾崎はね~、人を好きになったことがないから分からないってセリフあったんだけど、好きを自覚してない。好きって感情に好きってラベルを貼れなくて苦しんでいる。
だから彼女と同化したかったのかもしれない。彼女を理解するために彼女の全てを飲み込む。「今の感情がわかんない、誰も教えてくれない。」って尾崎のセリフあったけど、
あーーーーほんと!これ!そうなの!!この感情は体験するまで知らないし、これが何なのか誰も教えてくれないんだよ。一体なんなんだって自問自答するしかない感情。分からないし苦しいし、誰か教えてよ早く楽になりたいって思うよね。好きって素晴らしいみたいな刷り込みあるけど、実際はすごく苦しいもん。
恋ってはしかみたいなものだなって思ったことがあるんだよね。本当は子供のうちに感染するはずなんだけど、それを逃して大人になってからだと重症化してさらに辛くなるところが。
私のちゃんとした恋は大人になってからだったから、尾崎ほどではないにしろ、好きを飲み込むまでが辛かった。好きの感情を自分で持て余してしまって、どうコントロールすればいいのかわからなくて。みんなこれ思春期に体験したの壮絶すぎない?って思ったもん。
あと、尾崎が「お前は抱きしめることしかできないだろ?俺は違う」ってシーンがあって、本当に気持ちに重きを置いている人なんだなって。一番狂気の人だったけど、いつから壊れてたんだろう。 それともこれが尾崎の愛情表現なのかな。
この3人に次いで登場する彼氏。あの彼氏は彼女にひどい扱いをしているけど、やっぱり最初の頃はちゃんと好きがあったんだって安心した。過去の彼女が好きだった。思い出の彼女が一番だって、過去に囚われてるけど。
そこで尾崎の言った「彼女が変わった?人は変わるもんなんだよ。変わっていくとこをも含めて彼女だ」
これはーーーうーん、本当にね。そうなんだけどね。難しいよ。自分も無意識に変わっていくから、一方的に変化を否定するのは矛盾がある。思い出は美化されがちだけど、それでも理想の彼女だった過去のあの時がよかった。変わってしまった彼女を見るのが辛かったんだろうな。
もうやめよう解散となってから、10年の生活が長い夢だったみたいにパッと消えてしまった。憑き物が取れたみたいな顔だった。
本当に男の愛情って感じだった。見守る愛。自分が関知しないところでの行動も何もかもを優しく見守り全てを受け入れる。好きだけど自分の範囲から離れても、それでも相手の幸せを願う。みたいな。
女の人はあんまりないよね、「手に入れたい愛」だもん。私には全く出来ない事なので、素直にすごいと思った。私は自分の範囲内での相手の幸せを望むので、そういう考えもあるって理解はできるけど全く共感できない。すごいよ、男の人。
私的には「だって好きなんだもん」は免罪符にならないって思ってる。好きだから起こす行動は結局自分本意な行動だから。
だからみんなそれぞれの想いがあったとしても、それがどんなに強くても、自罰的でも、自己犠牲が伴っても、やっぱりどこか自分本意だった。
あの3人には自分を大事にしたうえで誰かを愛せるようになって欲しい。
ファントムスレッド
7.25
映画の始まりは美意識の塊っ!!なファッションデザイナー、レイノルズの規律的な日常から始まる。
この時点であ~~好き~~~となったのでどっぷりと映画に浸かった。
才能ある人たちの面倒くさい自分ルールやルーティーン、偏執的なこだわりが描かれていくんだけど、私そういうの好きなんだよね。
いや、身近にいられたら面倒くさっ!てなるんだけど、才能あるからこそ魅力的に感じる。というかダニエル・デイ=ルイスが格好良すぎる。これは惚れるよ、THE美意識。
ウザくなってきた前の彼女をあっさり切り捨てるのも、こういう人にはありそうだなぁと。愛が重くなり過ぎると負担になるから仕方ないのかもしれないけど。
そして登場するのがアルマ。
アルマ、私には最初は自信ない子に映ったんだよね。カフェでの給仕もガチャガチャしたりする鈍臭い感があるので。採寸の時点でコンプレックスバリバリだったし。胸は小さいし、肩幅広いし、腕はがっしりだし…なんで私なの?ってアルマ自身が疑問に思ってしまうほど。
でも、そのコンプレックスこそがレイノルズの求める完璧な体型なんだから分からないもんだよね。
そして恋人に昇格したアルマは、だんだん調子に乗って図々しくなっていく。
あぁ、なんか男性から見た女の図なのか、こういう話多いよね。彼女になった途端○○になった~みたいな話。でもアルマ元からこんな子だったのではと思う。最初の給仕見てる限り騒々しいし。
でもあんな生活音激しいのはキッツイ。レイノルズはそれを許せない。鼻につく。でもアルマも折れない折れない!面倒くさい同士バトル!!意地の張り合い!!!
途中で、おまえ…その行動…本当に相手のこと好きなのか?本当か??ってよぎるところもあったけど、一緒に生活してるとね、あるよね。相手の行動にイライラしちゃうの。
好きだから一緒にいたい、一緒にいたいはずなのにストレス。ストレスから相手に嫌な態度をとるっていう負のループ。
アルマはね~顔も体型もパーフェクトだけど、レイノルズと性格が合わないんだよね。この世に自分の理想でぴったり合う人間なんて存在しないから、だからこそ折り合いつけてやっていくって気持ちがないとダメなんだけどさ。その生活の擦り合わせをしていかないといけないのに、二人ともそんな気さらさらないので破綻していく…そりゃあね!お互い歩み寄らないもんね!
不満があるアルマは、私に必要な彼はドレスを作り終え精根尽きて甘えてくる時の彼!弱ってる時の彼がいい!と毒を盛る。自分に都合のいい状態の彼。私の手の中にある彼。コントロールできる彼。
死にそうなレイノルズをどっぷり甘やかして周りを排除して味方になるアルマ。完璧なふたりの世界。
そしてレイノルズはこの人しかいないと悟り結婚。
あーこれか。これだ。私にはこれが足りないんだわ。ここで強くそう思ってしまった。毒を盛るくらいの熱量ないと結婚出来ないんだろうな。すごい。すごいわ。私にはもう無理だ。
というか、ここからは好きなのか愛なのかただの執着なのか…私には分からなくなったよ。どれも紙一重だしね。
結婚したら更に性格の不一致が浮き彫りになっていく。
インドア派とアウトドア派、陰と陽、みたいな両極端なね。
でもレイノルズが歩み寄ったところはちょっとグッときた。絶対行きたくない大嫌いなうるさいパーティーにアルマを迎えに行ったの。あーレイノルズ歩み寄ってるじゃん!アルマのことちゃんと好きじゃん!って。
ここから最後にかけてが怒涛すぎて、まだちょっと飲み込めてない。
アルマに対するレイノルズの気持ちは好きとか愛とかその辺り。でもアルマはなんだか執着してるように思えて仕方がなかったなぁ。それが彼女なりの愛情表現だったとしても。
でも、惚れただの好きだの愛だのなんて、他人が介在するもんじゃないし、あれがふたりの世界なんだろうね。
なんだか全編レイノルズ視線になってしまった。
レイノルズは色々犠牲を払ってアルマに合わせるんだけど、アルマは全然合わせてないのよ。
私も好きになったら追う恋になってしまうのでレイノルズに肩入れしてしまったわ。オリーブオイルがいいのに嫌いなバターに変えたり、大好きな静寂が消えたりしようが、受け入れてしまう追う側の恋。更に大きな枷をも受け入れてしまうレイノルズ。あーーこれめっちゃ好きなんだろうな、アルマのこと。そんだけ好きになれる相手がいるのがいいよなぁ。
最後にタイトルがバシッと出た、ファントムスレッド。色々意味を見出せるけど、私には超訳して"操り人形の糸"みたいに思えたそんな映画。